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社会教育施設再編と公会計改革の乖離

社会教育施設再編と公会計改革の乖離

社会教育施設再編と公会計改革の乖離
① 社会教育の本質的価値が「一般施設」として捉えられている
• 公民館・図書館などの社会教育施設は、「社会教育法」に基づき、市民の自主的学習・文化活動・地域コミュニティの形成を支える場です。
• 本来は、教育行政の一環として専門的に位置づけられるべき施設であり、社会教育主事等の専門職による運営が求められます。
• しかし、施設再編の議論では「公共施設一般」として一括管理され、コスト削減の対象として扱われがちです。
つまり、「学び」や「つながり」を育む場が、単なる「維持費のかかる箱」として見られてしまっている。
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② 公会計改革の成果が「歳出削減」の論理に吸収されている
• 習志野市は、統一的な基準による財務書類を整備し、施設ごとのフルコストや減価償却費を可視化するなど、先進的な公会計改革を進めてきました。
• しかし、その成果が「持続可能な価値創造」ではなく、従来型の歳入歳出会計の健全化指標(削減・効率化)に回収されてしまっている傾向があります。
• 本来、公会計は「資産の活用」や「将来の価値創出」を見通すためのツールであり、経営的視点での意思決定支援に活かされるべきです。
せっかくの“見える化”が、「削るための道具」になってしまってはもったいない。
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③ 教育行政の専門性が制度的・会計的に周縁化されている
• 社会教育主事などの専門職が担ってきた「地域の学びと文化の支援」は、行政組織上も財務上も、一般行政の下位に置かれがちです。
• 会計制度上も、教育的成果や文化的価値は「定量化が難しい」とされ、財務指標に反映されにくい構造があります。
• その結果、教育的・文化的な価値が政策判断から捨象されるリスクが高まっています。
たとえば、「地域のつながりが深まった」「子どもが地域で育つようになった」といった成果は、数字にはなりにくいけど、まちの未来には欠かせない。
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今後に向けた視点
1. 社会教育施設の「教育的・文化的成果」を可視化する指標の開発
 → 利用者の学習成果、地域活動への波及、世代間交流の創出などを定量・定性の両面で評価
2. 教育行政と財務部門の対等な連携体制の構築
 → 社会教育主事の専門性を活かし、財務情報と成果指標を統合した意思決定モデルの構築
3. 公会計を「価値創造の羅針盤」として活用する文化の醸成
 → 単なる削減ではなく、「どの施設が、どんな未来をつくるのか」を語れる行政へ
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このような視点を踏まえれば、施設再編は「削減」ではなく、「地域の未来をどうデザインするか」という創造的な営みになります。

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